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手軽だけどしっかりハラハラ!山田悠介「Aコース」レビュー【ネタバレなし】

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■Aコース(著:山田悠介)
幻冬舎文庫
ジャンル:ミステリー、サスペンス
ページ数:本編173ページ
読破所要時間:約1時間20分
※1ページを28秒で読んだ場合

 

■要素:脱出ゲーム、病院、ミステリー、お手軽

 

■あらすじ

高校三年生の賢治たち5人は、夏のある日、スリルを求めて最近話題の「バーチャワールド」をプレイしにゲームセンターへ向かう。ゲームの世界へ入り込み、火災現場となった病院から抜け出すために病院内を探索していくが、この病院はゲームの世界にしては何かがおかしいと思い始める。

 

■雑感(個人的見解を大いに含みます)

リアル鬼ごっこ」の山田先生による著書。実はまだリアル鬼ごっこ読んだこともなく映画もドラマも観たことないのですが、本書を読んでリアル鬼ごっこも読みたくなりました。

サックリ読める薄めの文庫小説を、と思って図書館で借りてきたのですが、いや面白い。

最初のうちはフーンと思いながら読んでいましたが、読み進めるにつれて五人の高校生たちの思惑や信念などが絡み合い、火事で燃え切ってしまえばゲームオーバーという時間制限の中で彼らの奥底の人間性が洗い出されていく様、またゲームが終了に近づいているのに謎を残したまま残りのページ数が薄くなっていくハラハラ感(これ大事ですね)

話の序盤で脱出に当たっては難易度設定が出来、彼らはハードモードを選択するのですが、するとなんとゲーム中に巨大な侍骸骨が現れ彼らに刀を振るってきます。

勿論最後は綺麗に締まって終わりますが、ギリギリまで謎を引き延ばしつつ骸骨とも戦い、挙句に(これ以上はややネタバレになりますが(^^;))何やかんやしてしまう展開に、もうすっかりハラハラしっぱなしです。

 

惜しむらくは少し短いお話のため、5人の高校生たちのキャラの深堀りがやや足りない印象でしたが、それはそうとして短めながらもしっかりハラハラ出来て面白かったです。

ちなみに今回図書館で同じ先生の「Fコース」も借りてきたので、読んだらレビューしたいと思います!